特別縁故者とは、被相続人とともに暮らしていた人(生計を同じくしていたものという意味で内縁の妻、事実上の養子、配偶者の連れ子等)や、被相続人の療養看護に努めた者、その他被相続人と特別な縁故を持った人を意味します。
特別縁故者に対する財産分与は、相続人不存在が確定した場合に限り、行われます。相続人が存在する場合は、できないことになっています。
自分が被相続人の特別縁故者に当たると思う人は、被相続人との特別な縁故関係を明らかにして、家庭裁判所に申立てをします。
この申し立ては、相続人捜索の公告期間満了後、3か月以内にしなければなりません。
被相続人Aさんには相続人が存在せず、相続財産が法人化したのち、特別縁故者Bさんに所有権が移転する場合の登記申請書を下記に示します。
登記の目的 所有権登記名義人氏名変更 原 因 平成●年●月●日相続人不存在 変更後の事項 亡A相続財産 申 請 人 亡A相続財産管理人 甲 添付書類 登記原因証明情報 代理権限証書
登記原因証明情報として、被相続人の死亡の事実及び戸籍上相続人が存在しないことを証する戸籍全部事項証明書等が該当します。 代理権限証書として、甲の選任審判書と委任状が該当します。
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登記の目的 所有権移転 原 因 平成●年●月●日民法第958条の3の審判 権 利 者 住所 乙 義 務 者 亡A相続財産 添付書類 登記原因証明情報 住所証明情報 代理権限証書
乙さんが、特別縁故者です。 登記原因証明情報として、確定証明書付審判書正本が該当します。 住所証明情報として、乙の住民票が該当します。
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権利者と義務者の表示がありますので、共同申請形式に見えますが、実質的には単独申請です。
通常必要とされる義務者の権利証と印鑑証明書が添付書類に含まれておりません。