登記の必要性

自分で登記するにせよ、司法書士に頼むにせよ、なぜ登記って必要なのでしょうか。登記の必要性について考えます。

 

あらゆる物には、所有者という人がいます。「このバットは私のだ」と主張できる人です。先日、息子のバットが、なくなりかけました。地元の少年野球チームに所属していて、練習に自分のバットを持っていったのですが、グラウンドで行方不明。

 

名前を書いていなくて「金色のMIZUNOのバット」という簡単な説明で、みんなに探してもらいました。結局は見つかったのですが、名前が書いてないので、少々難儀しました。

 

探してくれた人が同じチームメイトなので、「これは俺のだ」という人はいなかったのは幸いでした。

 

仮に同じチーム内ではなくて、他人間であればどうでしょう。

名前が入っていないので、自分だとは言いにくいですね。

 


不動産も同じことが言えます。

この家は、私の物と自信を持って言えないと、安心して暮らせません。

 

また、不動産を買いたい人も、売主が誰なのかわからないと安心して不動産を買えません。

2000万円で家を買ったが、相手は本当の所有者ではなかったらどうなるのでしょう。

 

2000万円を払ったが、家は自分のもだとは言えなくなってしまうのです。大損です。

 

また、相続人の間で遺産分割協議が成立して、あなたが所有者になりましたが、登記しないで放置していると、他の相続人がその人の持分(もちぶん)の名義を入れてしまい、他の人に売ってしまいました。

その持分登記(例えば2分の1)はその買った人の名義になってしまったのです。

 

勝手に登記をいれた他の相続人が悪いのは決まっていますが、あなたの土地建物は、あなたに全部戻ってくるでしょうか。

 

この場合は、移ってしまった2分の1は戻ってこないのです。

 

バットやグローブでも名前を書きますよね。これは、私の物だとわかるように。不動産のような高価なものは、なおさら名前が必要なんです。

「その不動産は、誰のものか」をはっきりさせるのが、登記なのです。

 

たかが登記、されど登記なのです。

登記を軽視しないでください。

自分で登記をするということは、自分の権利を自分自身の手で守るということなのです。

 

言い換えると、司法書士は他人の財産や権利を守る役目を持っているとも言えるのです。